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めっきとは
めっき(近代めっき)とは、素材に薄い金属膜をつけるプロセスおよびその技術のことです。
めっきの目的から大別すると、装飾性、耐食性、機能性の3つがあげられます。また、目的を達成するため、多層化しためっき処理も施行されます。
- 装飾性: 素材に貴金属(Au, Ptなど)をめっきし、より付加価値の高いものにします。
- 耐食性: 素材の持つ弱点をめっきにより補い、素材を腐食から守ります。
- 機能性: めっき皮膜により、電気伝導率、磨耗性の向上などを図ります。
- その他: 耐変色性、耐熱性、撥水性、摺動性、ぬれ性、機密性 ect..
めっきの特性による分類としては、装飾、防錆、機能、工業用めっきがあります。
- 装飾めっき: 金、銀、銅、Cu/Ni/Cr、パラジウム、ルテニウム etc..
- 防錆めっき: 亜鉛めっき
- 機能めっき: 電気的、物理的、光的、熱的、化学的特性 etc..
- 工業用めっき: 工業用硬質クロム
金属・無機・有機の3大材料 またはこれらの複合化の成膜手法は、「ドライプロセス」と「ウェットプロセス」に大別することができます。
ウエットプロセスとは、溶液に溶解させた分子を液層から成膜する手法で、ドライプロセスとは、気相中で蒸発・昇華した分子を気相から成膜する手法です。
めっき方法においても、乾式めっき、湿式めっきとそれぞれ呼ばれて、代表的な手法としては、下記のようなものがあります。
乾式めっき(ドライプロセス)
- 真空めっき(PVD 「物理蒸着」)
- 化学気相めっき(CVD 「化学蒸着」)
湿式めっき(ウエットプロセス)
- 電気めっき(電解めっき)
- 化学めっき(無電解めっき)
- 溶融めっき(溶融金属めっき)
- その他、化成処理、陽極酸化処理、イオン注入など
17世紀から工業としてのめっきがはじまりました。電気めっき法や真空めっき法の進歩とともに、今では半導体部品やLSIの多層配線までも「めっき」に含まれます。
錬金術としての古代化学から、電気、電子、物理、化学、科学技術、熱、光、工業技術、材料科学、繊維、環境などの様々な工学分野まで拡張し、現在も未来に向けた新しい技術が考案されており、実用化へ向けた研究・開発が盛んに行われています。
良いめっきとは
もちろん、お客様がOKであれば、それはそれで良いめっきと云えますが、石川技研が考える「良いめっき」とは、論理的・科学的にプロセス化された環境でめっき施行した製品 といえるでしょう。
技術的には、耐食性、密着性、めっき皮膜の平滑性などが条件となります。めっきの評価は、次のような試験方法で判断されます。
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耐食性試験
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耐食性を評価するのにポピュラーな試験方法に、塩水噴霧試験、キャス試験があります。酢酸酸性塩水噴霧試験、コロードコート試験、ばっ気試験(酸、アルカリによる)、人工汗試験などがあります。これらは、腐食を早める為に、塩水や酢酸などを入れて腐食の度合いを測定するものです。
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めっき厚試験
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【電解法】 めっき皮膜を陽極として電解液中で電解を行い、電解に要した電気量と時間と溶融金属量から膜厚を測定できる方法。
【蛍光X線法】 製品にX線を照射して放射される蛍光X線の強度を測定してめっき厚さを求める方法などがあります。
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密着性試験
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密着性試験には、折り曲げ法、加熱冷却法、粘着テープ引っ張り法、やすり試験など色々あります。素材を折り曲げ密着を見たり、熱により剥離が無いかを見たり、テープを貼り剥がす力に耐えられるかを見たり、布ややすりでこすり剥離の状態を見たりと方法はいろいろあります。
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硬度試験
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めっき皮膜のかたさを定量的に測定するには、マイクロビッカース硬度計が利用されています。
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めっきの代表的なものに、「電気めっき(電解めっき)」「化学めっき(無電解めっき)」「溶融めっき(溶融金属めっき)」があります。
原理そのものは中学・高校の理化学の時間でも実験しているほど簡単ですが、それでは商品になりません。プロであるめっき屋が、付加価値を持った商品にするために常に気を配っているものは、溶剤液の管理はもちろん、めっき膜を均一にするための方法です。
そのためには、まずお客様の要望をしっかり聞く事からはじまり、めっきする製品の材質を確認し、入荷した製品の状態をチェックします。
このような基本的な事も含めた「前処理」が、特に重要な行程です。これを怠ると、密着不良、ピンホール、色彩の不良など、めっきを悪くする様々な要因となります。前処理の目的は、主に3点あります。
- めっきを妨害する全てのものを取り除くこと(塵、油、錆 etc..)
- めっき槽の中に不純物を入れないこと(溶剤の管理)
- めっきする製品の表面を活性化すること(密着性をよくする)
更に、製品に合わせた、治具の改良・補助陽極の改良・めっき浴槽の改良・浴槽につける製品の角度、あるいはめっきされた製品を浴槽から出した後、出来るだけ自然に水切りをさせる為の工夫など、改良・改善の毎日です。
作業プロセス (電気めっきの例:眼鏡フレーム)
受入検査・ラッキング
入荷した製品にキズ、汚れ、製品の表面状態、製品の材質などを検査します。また、その製品に適した冶具を選定もしくは作成してラッキングを行います。
前処理
前処理は、製品に付着した油、指紋、汚れを洗浄したり、素材にめっきが密着しやすくするために行います。
めっき工程に汚れなどは禁物であり、特に重要な作業です。
表面処理加工 めっき
製品のサイズ、特性を把握し、電流、時間などを設定し加工します。製品の素材、色などによって工程は異なります。
(写真は、Niストライク槽)
出荷検査
加工後のキズ、不良を機器や目視にてチェックします。