めっき(鍍金)の語源

日本のめっきの歴史は(AD 500〜600年)頃からが国産らしく、馬具、刀剣類に金めっきされ、仏像では飛鳥寺大仏が最古と云われています。

この頃のめっき方法は「水銀アマルガムめっき」と云われ、金アマルガムを水銀に溶融し、加熱させると水銀だけが蒸発し、青銅製の表面に金膜が付着するという手法だったようです。たぶん、水銀蒸気による中毒患者が多数出たことでしょう。

文献に登場する順番では、鋪金 → 塗金 → 鍍金 → 滅金(これが1600年頃)、「めっき鍍金ときん」の語源は、「滅金めっきん」が変化したとのことです。

カタカナで書く「メッキ」は、1600年頃の宣教師翻訳書に記載されているとか。最近の用語に思えたのですが、この頃から使われていたんですね。

語源・雑学コラム (ひと休み)

めっきを漢字で書きますと「鍍金」となりますが、読み方は「ときん」になります。

  • メガネ(めがね) → 眼鏡 → がんきょう
  • きのう → 昨日 → さくじつ
  • さるすべり → 百日紅 → ひゃくじつこう
  • ひまご → 曾孫 → そうそん

義訓?、でもこのような当て字じゃない日本語は特殊な言葉だと思います。

中国では「鍍」という一文字で「めっきをする」という意味になるそうで、「鍍金」は、金めっき。「鍍銀」は、銀めっき。「鍍銅」は、銅めっきになるようです。また、箔をつけるの意味もあり、「出洋鍍金」「他郷鍍金」「留学鍍金」のように、「・・ して箔をつける」という用法もあると云うことです。

ニュアンス的に良い意味に使われているようですね。日本では、「鍍金めっきが剥げる」というのが一番に思いあたり、こちらは悪い意味に使われたりして、こんな処からも中国と日本では違いがあるのでしょうか。

ちなみに、中国ではずばりの比喩は無いということです。あえて例えるとしたら、

  • 「華而不実」: 花が咲くだけで実を結ばない、見かけは立派だが内容がない。
  • 「金玉其外、敗絮其中」: 外見は良いが、中身はさっぱりだ。
  • 「狐狸露出尾巴」: キツネがどんなに化けても、尻尾が出てしまった。
  • 「原形必露」: 成語で、正体がすっかりばれる。とまぁこういうことらしいです。

これらの中に、「鍍金」という文字は入っていませんが、鍍金には、「見かけ倒し、うわべだけを飾る」という意味もあるということです。ただ日本語のように「人をけなす」意味は特にないそうです。

一般 FAQ

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  1. spめっきに適した素材形状とは、どのようなものですか?
    • めっきされる製品の形状は、膜厚、皮膜の特性、めっきの概観やしやすさなどに影響します。そして、デザイン形状の違いにより品質、単価に大きく影響します。

      一般的にめっきは素材の表面積によりその素材の電流を計算します。また、陽極までの距離が近い場合、棒状なら先端部。素材によりバラつきが生じるため、膜厚やめっきの特性にもバラつきが生じます。また、陽極を遮断するような素材の形状も電流を流れにくくするため適しません。

      しかしながら、素材を冶具にセットする方法や極板までの距離を細工することにより、その障害を最小限に抑えることはできます。

  2. sp不良が出やすい素材形状には、どのようなものがありますか?
    • 2元合金やそれ以上の合金に対するめっきは難しい面があります。それは、合金内の各種金属の特性がそれぞれ違うからです。

      また、研磨状態の悪い素材も難しく、それは、素材表面の粗さによってめっきの際、気泡が生じその面にめっき不良(密着不良)を生じる場合があります。

      合金はめっき方法の選択などによって、ある程度改善することができます。しかし、素材表面の精度があまりよくないものは、洗浄やめっき方法によってある程度は改善が見込めるものの、不良率はかなり高くなります。

  3. spシャボン玉の虹色みたいな色を、めっきで表現する方法がありますか?
    • それは、干渉色のことですね。まず、色を認識するメカニズムについて書きましょう。

      私たちは、光の波長の反射を利用して物体の色素を認識します。干渉色が見える原理は、素材と素材表面に透明の酸化膜を生成することにより、素材の反射光と酸化膜の反射光が干渉い合うことによって色彩が生まれます。つまり、反射光の干渉と、酸化膜の厚さにより、虹色みたいな色が出来る訳です。

      干渉色を表現する方法としては、一般的に陽極酸化があります。素材をに電流を流し酸化させる方法です。チタンやアルミなどでよく使われています。

      金属または塗料そのものを素材に密着させる電気めっきや電着塗装では無理です。イオンプレーティングでは、CDのような製品も蒸着法により可能ですが、当社では、干渉による表現は陽極酸化のみを取り扱っております。

  4. spイオンプレーティングで表現できる色彩は無限ですか?
    • あらゆる色に対応しているつもりですが、実際には素材全体にムラが生じたりするため、一概にすべての色というわけではありません。

  5. sp銅ストライク、ニッケルストライクのストライクとはどういう意味ですか?
    • ストライクを直訳すると、「打つ、たたく」などの意味を持っております。このストライクの意味は素材に高電流を流すことによって、酸化膜などの密着などに障害を及ぼすものをたたき、洗浄しながらめっきすると云うものです。

      また、高電流のめっきにより短時間でめっきするため、めっき液による素材を侵すことを防止するために行っております。

  6. spめっき厚って変更できますか?
    • はい、できます。めっきの厚みは主に、「時間・電流密度・浴槽の条件」などを調整して、規格範囲の寸法にすることができます。

  7. sp金めっきに色の変化はつけられますか?
    • はい、できます。当社の金めっきはK24めっき浴とAu-Pd-Cu浴があります。

      K24金めっきはその名の通り純Auめっきのため色彩に変化をつけることは出来ませんが、Au-Pd-Cu浴ではAuやPd、Cuのバランスによって様々な色彩を生み出すことができます。

  8. sp同じ純金めっきでも、業者によって同じ色彩にならないのはどうしてですか?
    • 純金めっきでは一緒だと思います。金めっきのことではないでしょうか?

      金めっきは、会社によって金めっきの金属組成比率が異なるため、めっきされる金属組成も異なるからです。

  9. sp試作をお願いする場合の金額や納期の目安を教えてください。
    • 試作の金額及び納期に関しましては、表面処理の内容、材質、形状、処理時間などにより一概ではありません。どんなモノでもご相談に応じますので、お気軽にお問い合せください。

  10. spレーザーとは何ですか?
    • レーザーとは波長と位相が揃った単一周波数で、さらに指向性が鋭い高エネルギーの光です。しかし、自然光では波長も位相もバラバラで干渉性がありません。従って、お互い打ち消しあい高いエネルギーは得られません。

  11. spレーザーで何が出来るのですか?
    • 一口でレーザーといっても様々な種類があります。CDプレーヤー、医療器具(レーザーメス)、バーコードの読み取りなど用途により様々な種類があります。当社では金属、非金属へのマーキング、3Dレリーフ加工を行っています。

  12. spレーザーって見えないの?
    • 見えません。ショーなどで使用されている可視光レーザーも煙、建築物などの散乱光を見ているのです。実際、直接見ると眼球の網膜に著しいダメージを受けますので注意が必要です。

  13. spハルセル試験器に書かれている液量「267ml」というのは何から来ていますか?
    • ハルセル試験とは電極からの距離を変えることによって、低電流から高電流までの範囲のめっき状態を観察する試験法です。

      その試験法を発明したR.O.ハル氏が「inch」によって測定ケースを作成したため、ml単位ではそのような 267ml という中途半端な数値になったのだと思います。

  14. spめっき会社で、資格(国家資格など)は、どのようなものが必要ですか?
    • 公害防止管理者 水質1,2種、毒劇物取扱者、危険物取扱者有機溶剤作業主任者、特定化学物質作業主任者などがあります。他にも色々有りますが、大体これぐらいです。

雑学 FAQ

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  1. spお金(コイン)にめっきすることは違法ですか?
    • 違法です。故意にキズをつけただけでも違法なはずです。

  2. spオリンピックの、金、銀、銅メダルには何かコーティングがされてますか?
    • されていないはずです。しかし、純金や純銀ではなく確か合金だったと思います。

  3. spめっきの種類で音階(ドレミファソラシド)は作れますか?
    • 音階がつくれるかどうかは実験したことが無いのでわかりませんが、よく管楽器などでは、銀めっきや金めっきが良い音色を出すと言われています。